淡路島西国三十三ヶ所霊場めぐりの旅路ガイド

第二十一番　長尾山万福寺

　志筑の交差点より、県道88を西方へすすみ、途中、左折して南へ一キロほどすすむと、池の付近の丘にある。日露戦争の凱旋記念として、土地の人が建てたという門柱をはいり、石段を登ると正面に本堂が現れる。さて、この寺がある地名は「佐古」であるが、実はこの地名にも言い伝えがあるそうだ。文政10年（1827年）ごろに、伊賀の国人がこの村にやってきて、日ごろから信仰している「左近の観音」を伊賀からこの地に移して祭った。「佐古」は、この｢左近」からきているのだとか。住職に話をきくと、この本堂自体は室町時代の建物だという。歴史を感じさせる寺である。