第一番 先山千光寺
先山は淡路島全島の信仰を集めるお寺である。イザナギ・イザナミの二神が最初に作ったといわれ、「先山(せんざん)」という名前の由来になっているといわれる。山頂にある千光寺は淡路島第一の名刹として知られる。今でこそさびしくなったものの、かつては参拝者が絶えることはなく、山上にある茶店も大いに賑わった。縁起によれば、延喜元年(901年)、播州から逃げる大猪を追いかけて淡路島にやってきた猟師が先山にたどりつき、そこで千手観音の胸に自分の放った矢がささっているのに驚いたという。以後、この猟師は仏門にはいりここに寺を建立したといわれている。そのためか、普通、寺には狛犬がつきものだが、ここでは本堂前に一対の石のいのししが鎮座している。千光寺には国の重要文化財である梵鐘や、運慶作と伝えられる仁王像、わが国でも数少ない珍しい鉄造宝塔など、多数の文化財がある。また、面白い風習として、人の死後三十五日目には、ここ先山へ登り、団子を谷へ転がし、遺髪を六角堂へ納める、というものがある。参拝者が少なくなったとはいえ、大晦日には今もなお、多くの参拝者がこの寺を訪れる。
所在地 | 洲本市上内膳2132 |
本尊 | 千手観音菩薩 |
宗派 | 高野山真言宗 |
ご詠歌 | 「天地の開き 初まる山なれば 大慈大悲の月ぞさやけき」 |
連絡先 | 電話:0799-22-0281 |
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